Google英語版で「why are japanese」と入力すると、予測検索が表示される。人々が多く調べているであろうワードが補完される。
そのなかに、「why are japanese so bad at English」(なぜ日本人の英語はヘタクソなのか)という一文がある。日本人の英語のマズさは何なのかと外人に思われているということだ。

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ただ、この「why are ○○」はかなり前にいろいろ話題になったため、予測検索の結果を変えるためにごちゃごちゃやっている連中がいるので、あまりアテにはならない。
試しに、「why are korean」と入力してみるといい。「なぜ韓国人はホットなのか」「なぜ韓国映画はいいのか」「なぜ韓国ドラマは人気なのか」「なぜ韓国の女優は可愛いのか」などになっていて、数年前にあった「なぜ韓国人は無礼なのか」が消え去ってしまっている。

それはさておき、日本人の英語下手は世界中に広まっている。中高合わせて6年、大学も入れると7年くらい英語科目で勉強をしているのに、学校の勉強だけで英語を話せるヤツなど皆無だろう。
私自身も、IEEEやRFCなどの英文規格書や、英文解説書などはある程度読めるが、英語で会話したり、機械翻訳でチェックせずに英文を書ける気がしない。
これはもう、個人の資質の問題というよりも、日本の学校教育が悪いということにしておこう。学校教育で積極的に英会話をさせたり、英文を書かせないから私のような日本人が増えるのだ。

ついでにいうと、日本人は発音もマズいと思われている。これはもう仕方のないことのように思える。日本語の発音体系は英語と全く異なり、日本語を子供の頃から長く聞いていると、耳も口も日本語仕様になる。
外国語の会話など、伝わればいいのだから、別にそこらへんを気にすることはないとは思うのだが、割とそれを揶揄する外人は多い。
日本人は、アメリカ人や中国人や韓国人の日本語の発音がヘンでも、あまりそのことについて言及する人はいないが、どうも外国には多いような気がする。

だから、日本人の発音のマズさを表現するため、英単語の一部をアルファベット表記にしたものがインターネット上で使われている。
例えば、Googleで「impossibru」と検索してみると、お笑い芸人のザブングル加藤が「悔しいです!」をやっているときの顔の画像が山ほど出てくる。ザブングル加藤は、英語圏では「impossibru guy」として知られていて、日本の奇妙なものを表すために、「impossible」が「impossibru」に変えられている。
このように表記すると、日本に関係するものだとすぐに分かるのだ。

それと似たようなものに、昨年の秋頃から英語圏のインターネット上で話題になっている「Doge」というものがある。
「Doge」は、ある日本の柴犬の画像に、奇妙なニュアンスの英語を加え、犬が考えていそうなことを表現している画像である。元々は、「Shiba」ならぬ「Shibe」と呼ばれていた。
必ず「Wow」という単語と、「so ○○」「much ○○」など、副詞+形容詞の形の英語が入る。

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この柴犬は、2010年に日本のとある幼稚園の教師をやっている男性がブログにアップした、「かぼす」という名前の柴犬だ。
流し目ですました顔をしている写真が外人の琴線に触れたらしい。2012年頃にちょっとしたブームが来たが、昨年の秋頃から突如として「Doge」の画像が増えまくった。
海外ではネット上にコピー&ペーストされるのは、日本のようなアスキーアートではなく画像が中心だ。コピペされるものを「ミーム」というのだが、この「Doge」はミームの代表だ。

日本人としてはちょっとビミョーな感じになるわけだが、悪意があるわけではなく、柴犬と日本人の奇妙な英語を可愛らしく捉えられているものなので、そう否定的に見る必要はない。

その「Doge」であるが、昨年12月には、最近何かと話題の仮想通貨であるビットコインから派生した仮想通貨として、「Doge Coin」も誕生した。
アメリカのネット掲示板では、ソチ五輪に参加するボブスレーのジャマイカ代表を資金難から救おうと「Doge Coin」での募金が呼びかけられ、瞬く間に数百万円分の「Doge Coin」が集まったとか。「Doge Coin」はビットコインと交換され、ビットコインが実際の現金に変えられて、ボブスレー・ジャマイカ代表の資金となった。
悪ふざけが発展したいい話みたいな感じだが、悪い話ではない。

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こうやって、「Doge」がどんどん広まっていき、「Doge」が知られることで、遠回しで日本人の英語のマズさが再認識されることになることになるのだが、まあそこらへんは余裕を持って笑って見過ごすべきだろう。
怒るようなことでも、懸念するようなことでもない。ステレオタイプだろうが何だろうが、目くじら立てるほどのことではない。
英語がヘタクソだろうが、眼鏡をかけて出っ歯で首からカメラを提げていると思われていようが、別に大した話ではない。そんなことにいちいち怒り狂う、どこぞの国のアングリー何とかのようにケツの穴の小さい対応をするのは恥ずかしい。